2020年には1ドル60円台でもおかしくない 頓挫しつつある安倍政権の景気浮揚策
6日の市場では、まさにこの水準で下げ止まっている。したがって、今の水準をさらに売り込むには、更なる円高やEPSの低下が必要である。このように考えると、目先の底値をつけている可能性はある。EPSの継続的な低下が止まれば、自律反発的な戻りも想定されるとの見方もできる。しかし、一方で円高が止まる気配はない。むしろ、円高はこれから本格化しそうな勢いである。
繰り返すように、ドル円相場は日本サイドに水準の決定権はない。G20でも明確に示されたように、通貨安競争は避けなければならず、通貨安を目的とした為替介入もできないことで暗黙の合意がなされている。その上、最も力を持っている米国がドル安にしたいのだから、日本サイドとしては円高を受け入れざるを得ない。
イエレンFRB議長が明確に示したように、米国は利上げを先送りすることでドル安を演出しているのだから、これに対抗することはもはやできないのである。一方、日銀短観で示された117.46円という、企業の想定為替レートも、筆者にはかなり楽観的にみえる。むしろ、「希望想定レート」と言ってもよいだろう。
筆者が企業経営者であれば、昨年末の123円台まで回復した時点で、少なくとも想定されるドル建て収入の3年分の為替ヘッジをしていたであろう。それだけ、昨年12月のドル円の戻り高値は「歴史的転換点」だった。
低迷する株価は何を意味しているのか
前回の本欄でも示したように、3年以内に87円から83円程度までドル円は下げる可能性があり、下落期間が5年程度延びるようであれば、65円まで下げるリスクがある。4年後の2020年には東京五輪が開催されるが、そのころにドル円が60円台に下げていてもおかしくない、というのが、過去データが示す「可能性」としての将来のドル円の底値メドである。
日銀による緩和策はいまや円安にはつながらないことが明白である。マイナス金利の影響もいまだ不明である。市場では、4月の金融政策決定会合での追加緩和への期待が高まっているが、それこそが「意味のない期待」である。安倍政権は、サミット前に財政出動を伴う景気対策を講じ、さらに消費増税の先送りと衆院ダブル選挙のパッケージで株価を押し上げようとするだろう。しかし、すでにこの材料も織り込み済みである。
ドル円相場を、米国が納得する形で円安に移行させ、市場に相当のサプライズを与えることができれば、もしかすると株価は反転するかもしれない。安倍首相は「リーマンショック級のことが起きない限り、消費税引き上げは予定通りに実行する」といまだ強調している。しかし、それでも選挙の直前で前言撤回をするのか。景気低迷・デフレ継続・株式市場の混乱への安倍政権の結果責任が問われる中、低迷する株価が安倍政権の退陣を求めているようにみえるというのは言い過ぎだろうか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら