中国企業がバングラデシュに生産拠点を移す時代に!--アジア進出企業の前に立ちはだかる壁

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もはや中国にはいられない

中国政府も今の五カ年計画(2011年~2015年)で最低賃金上昇率を年率13%とする基本方針を掲げています。これは前五カ年計画の12.5%を上回っています。「経済成長は鈍化の一方、最低賃金は上昇」が国策となっているということです。加工輸出タイプの進出企業は、他の国に行かざるを得ません。

大局的に言えば、米ドルの価値が下がり、食料価格が上昇する現在、各国政府による最低賃金引き上げがなければ、もっと労使紛争が過熱していたかもしれません。政府が対応しなかった場合、労働者は企業に対して直接行動をとってくることになります。

例えば、インドネシアでは西ジャワ州で1月に大規模な賃上げデモが起きました。この大規模デモの背景も最低賃金です。最低賃金引き上げを西ジャワ州が決定した後、反対した経営者団体が提訴、仲裁機関が州に対して最低賃金引き上げの見直しを命じたことから労働者が反発、一斉デモが起こりました。短期間でしたが多くの日系企業も操業停止に追い込まれました。

--なるほど。アジア各国ともに政府が動いて賃金が上昇している、政府が動かないとストや暴動になるということですね。

JETROによる進出企業へのアンケート調査では、インドネシア、中国、韓国、インド、タイ、ベトナムで「経営上の最大の問題」として「賃金上昇」を挙げています。この課題に対して、一国単位で見ずにグローバル、あるいはアジアというリージョナルに見る事が重要です。どの国でも似たような事が発生しています。

 

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