中国企業がバングラデシュに生産拠点を移す時代に!--アジア進出企業の前に立ちはだかる壁

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--中国企業が、海外へ生産をシフトする動きも起きているということですね。

昨今、政府の方針転換で日本でも注目を浴びているミャンマーも賃金が急上昇し、一昨年はバングラデシュやカンボジアの半分程度でしたが、ほぼ同水準に迫っています。特にアジアのなかでも一人あたりGDP1000ドル未満のこれらの国々の場合は、最安の労働市場であるとともに、環境変化が激しく、労働需給の見極めが必要です。

--地域の差はどうでしょうか?

どの国でも地域差がありますが、特にインドは地域による賃金差が激しい国です。例えば、あまり工場は多くありませんが、ムンバイは非常に高いです。一般工の平均賃金は400ドルを超えており、これはシンガポールを除く東南アジアのどの都市よりも高い賃金です。意外だと感じる人が多いと思いかもしれません。

しかし、地方に行けば、非常に安く、良くも悪くも最低賃金は守られず、子供は児童労働して家計を助けるという状況です。

「労働市場の賃金トレンド」を分析するには、マクロの視点で見る必要があり、「実際にビジネスを検討、実行する」上では州や都市の視点で見る必要があります。例えば、工場の進出では、どうしてもインフラを最も重要に見てしまいますが、内陸部なども実際に足を運んで検討してほしいと思います。

中小企業の場合はなおさらで、工場団地やレンタル工場があるかないかというレベルで探してしまいがちです。海外に進出するなら、貪欲に地域や都市の労働市場についてリサーチして、人材、人員の中長期戦略を立てたほうが良いと思います。

(聞き手:東洋経済HRオンライン編集長・田宮寛之)

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