園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《下》

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後継者は長男と決めている。「今のところ、周りも認めてくれている。ただし能力がなければホールディングカンパニーのオーナーになればいい。ロマンとか思いが会社を成長させる。企業理念を実現させるサポーターであればいいんですよ、資本家は。経営者は優秀なのがいっぱいいますから、社員の中に」。

仙台同友会の代表幹事に焦点は物流と医療

今年5月、2年ぶりに開催された仙台国際ハーフマラソン。大山は17~18キロ地点で足が上がらなくなった。が、一歩一歩踏みしめるようにゴールイン。「走ってみなければ、見えない風景がある」。仙台経済同友会の代表幹事に就任した責任感、復興への思いが大山を完走させた。

代表幹事への就任は昨年6月。これまで何度も就任を懇請され、その都度、固辞してきたが、大震災で腹をくくった。ただし、条件を一つ付けた。東北のブロック紙、河北新報社の社長・一力雅彦が共同代表になってくれるのなら、という条件だ。

大山と一力は20年来、二人だけの勉強会兼食事会を続け、互いの考え方を熟知している。大震災の翌週、大山は一力に電話を入れた。

「わかりました。私でよければ」。大山が期待した言葉ではなかった。「そんなこと言わないでくれ。一緒にやる、と言ってくれ」。一力は胸を突かれた。「一緒に、やります」。

最強タッグだろう。大震災で組版用のサーバーが倒壊した河北新報は新潟日報の協力を得て、休まず新聞を刷り、避難所向けに「日曜夕刊」も出した。一力が言う。「避難所の午前3時、奥さんが立ち上がった。旦那さんが『どうした』。『新聞を配ってきます、私も報道機関の端くれです』。そういう話がいっぱいある」。 

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