スマホ業界の最新勢力図、KDDIとソフトバンクがドコモ猛追 iPhoneを武器を持たぬドコモはどうなる?

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国内携帯電話市場でシェア5割弱を占める王者のNTTドコモ。しかし、ユーザーの純増数ではシェア2位のKDDI(au)、3位のソフトバンクの後塵を拝し、徐々に追い上げられている。

ソフトバンクはアップルと組み、アイフォーンの国内販売で先行。スマホ市場の形成を担ってきた。KDDIも2011年秋にアイフォーンの販売を開始し、ドコモユーザーが乗り換える動きが見られた。

それでも、ドコモがアイフォーン販売に踏み切る可能性は今後も低い。アップルはキャリアに対して販売台数の厳しいノルマを課すといわれる。アプリに関しても、アップルが厳格にコントロールしており、ドコモに自由裁量の余地はほとんどない。ドコモにしてみれば、通信インフラを提供するだけの“土管屋”に成り下がることは避けたいところ。アイフォーンに頼らず、独自の付加サービスで勝負していく構えだ。


■スマホ業界の最新勢力図■[+画像クリックで拡大]

スマホ端末の世界市場では、サムスン電子とアップルが激しいつばぜり合いを繰り広げている。2011年の出荷台数は、1位のサムスン電子の9420万台に対し、2位アップルは9310万台とほぼ互角。3位ノキアの7730万台を大きく引き離している(IDCジャパン調べ)。 NTTドコモはサムスンのギャラクシーシリーズのほか、国内メーカーの製品も幅広く取りそろえる。一方のソフトバンクは、ほぼアイフォーン一本足打法。昨年秋からアイフォーンの販売を開始したKDDI(au)はその中間といったところか。 ドコモは00年代初頭から7000億~1兆円超の営業利益を安定的に上げてきた。しかし12年3月期はドコモの営業益8744億円に対し、ソフトバンクは6752億円、KDDIは4776億円とその差が詰まっている。アップルは11年9月期に約2.5兆円の営業利益を上げており、別次元の強さだ。

価格競争激化で生き残り勝負へ

KDDIは固定電話回線を巻き込んだ攻勢も仕掛けている。auひかり対象の固定回線とスマホの同時契約で割引する「auスマートバリュー」でお得感を打ち出し、乗り換えユーザーの獲得を狙う。ドコモの場合、NTT東日本やNTT西日本と独占的に手を組んでセット割を提供することは電気通信事業法に引っ掛かる。

 

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