北海道新幹線の平均乗車率はたったの25%!?

収入維持へ「お得なきっぷ」はネット限定販売

2016年1月5日、北海道旅客鉄道(JR北海道)およびJRグループは、「北海道新幹線開業に伴うおトクなきっぷの設定・見直しについて」「北海道新幹線開業に伴う『青春18きっぷ』などのおトクなきっぷのお取扱いについて」を発表した。

この中で、インターネット予約(きっぷ受け取りは駅で行う必要あり)で2種類の企画きっぷ、すなわち、割引率25%~40%の「北海道お先にネットきっぷ」(申込日:乗車日の1か月前午前10時から乗車日14日の午後11時まで)と割引率5%~20%の「北海道ネットきっぷ」(申込日:乗車日の1か月前午前10時から乗車日前日の午後11時まで)を発売することを明らかにした(JR東日本でも同様の企画乗車券を販売)。

「北海道お先にネットきっぷ」では、新青森~新函館北斗間が4,350円(40%引)、東京都区内~新函館北斗間17,010円(25%引)などとなっている。現行の在来線の新青森~函館間の自由席特急利用は4,970円であるのに対して、「北海道お先にネットきっぷ」4,350円と新函館~函館間の普通運賃360円の合計額が4,710円であるが、現行の「青函回数券」は1枚当たり3,390円であり、新幹線開業によって事実上の値上げとなった。

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東京〜函館間は、航空のほうが割引料金でも新幹線より安くなる(写真:akey/PIXTA)

また、東京都区内~新函館北斗間については、東日本旅客鉄道(JR東日本)のスーパーモバイルSuica特急券(スーパーモバトク)(申込日:乗車日の1か月前午前10時から乗車日前日の午後11時40分まで)では15,460円(31%引)となる。

一方、全日本空輸(ANA)の「旅割55」は搭乗日の55日前までという制限はあるものの、羽田~函館間が12,000円台後半から購入できることもある。航空なら、スーパーモバトクよりもさらに3,000円近くも安い値段で東京と函館を移動できる計算である。

なぜ料金で飛行機に対抗しないのか

なぜ、JR北海道は航空に対して競争力のあるきっぷを発売しないのだろうか。JR北海道が国土交通省に北海道新幹線の特急料金を申請する際に提出した「原価計算書その他の旅客運賃等の上限の額の算出の基礎を記載した書類」(以下、「原価計算書」)によると、開業3年目の平成30年の料金収入は70.95億円と記載されている。

同社の島田修社長は公聴会で、北海道新幹線の1日の目標乗車人員を5,000人(総座席数19,006席に対して乗車率26%に相当)と明らかにしたが、新青森~新函館北斗間の特急料金(自由席又は立席特急料金)3,930円で計算すると特急料金収入は、新青森~新函館北斗間の特急料金3,930円×5,000人/日×365日=71.72億円となり、JR北海道が提出した「原価計算書」の数値とほぼ符合する。

「原価計算書」の料金収入は70.95億円であるので、71.72億円と70.95億円の差0.77億円少ないが、この差は、新青森~奥津軽いまべつ間、奥津軽いまべつ~新函館北斗間、および木古内~新函館北斗間の短距離利用に相当する収入額の減少と言うことだと考えられる。

次ページ企画きっぷの狙いは「空席販売」
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