【産業天気図・電子部品】受注底入れ鮮明でも曇天続く、本格回復は当面先

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 また、各社ともに、派遣社員の削減や生産品目の集約化など合理化を促進している。京セラは「アメーバー」と呼ばれる小ユニットごとの採算管理を一層徹底。村田製作所は4000人規模の派遣社員の削減を終えた。日本電産は永守社長の号令の下、「WPRプロジェクト」という構造収益改革をグループ全社に浸透させた。こうしたコスト削減効果により、各社の業績は09年度後半に押し上げられるだろう。
  
 もっとも、先行きは楽観視できない。村田製作所の村田恒夫社長は「10月以降の状況は見通せる状況ではない」と、慎重な見方を崩さない。デジタル家電の需要増加は各国の景気刺激策に支えられている側面が強く、受注の本格回復は当面先となりそうだ。

また、電子部品の単価下落も続いている。たとえばセラミックコンデンサーの場合(汎用品)、前年比約10%縮んでいる。かつてコンデンサーは国内メーカー間だけの争いだったが、ここ10年ほどで台湾や韓国メーカーが一気に台頭。世界的な競争が激しくなり、製品の値崩れが止まらないというわけだ。
 
 今期後半から来期前半にかけて、電子部品業界が急回復する絵は現時点では描けない。雲間から光が差し込むのは、しばらく先だろう。

(梅咲 恵司)

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