人口流動の地方再生学 松谷明彦編著

人口流動の地方再生学 松谷明彦編著

地方再生議論が盛んだ。曰(いわ)く、道州制構想、コンパクトシティー、定住自立圏構想、地方広域経済圏……。そこには、消滅する集落、破綻に瀕する財政など、人口減少高齢化の下で地方の衰退が急激な現実がある。

しかし、どの構想もなぜかしっくりいかない。それはまず中央、中心ありきで、そのうえで地方を考えるからではないか。地方と大都市が併存し、その間を人々が活発に行き来する社会こそ、本当の処方箋になると、本書は説く。

言葉を換えれば、多様に生きる人々が「居場所」を求めて活発に往来する「人口流動社会」でこそ、地方は再生できるというのだ。その流動化をどう促すか。都市と地方はそれぞれの道を歩む。その際、地方において大切なのは集落であり、農業によって定住条件を向上させ得るという。

シカゴやフランスではなく、国内での先進事例・萌芽を豊富に盛り込んであれば、説得力をより増すことができたのではないか。

日本経済新聞出版社/1890円

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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。