トヨタ「C-HR」は走りもスタイルも規格外だ

渾身の新型SUVが狙うのは「先駆者」の復権

走りに関しても、本来は「走る/曲がる/止まる」性能は、道なき道を走るために、オフロード主体のセットアップだったが、日本のユーザーのほとんどは「雪道を少々、後はオンロードのみ」という用途がほとんど。そうなると乗用車並みのオンロード性能も求められた。となると、ラダーフレーム構造では限界があったのも事実だ。

そこで生まれたのが、モノコックボディの乗用車をベースにしたクロスオーバーSUVなのだが、実はその先駆者は「トヨタ」だったのをご存じだろうか。

1982年に登場の「スプリンター・カリブ」はターセルのシャシーをベースにしながら、既存のトヨタのコンポーネントを流用しながら開発されたモデルで、RVルックの独自のエクステリアデザイン、広い荷室、1.5Lのガソリンエンジンに全車エクストラロー付パートタイム4WD(4輪駆動)を採用、最低地上高は高めの設定だが乗用車の運転感覚はそのまま……と、今のクロスオーバーSUVと同じコンセプトだった。その後、2度のフルモデルチェンジを行い、2002年まで生産が続けられた。

「丘オフローダー」を中心に高い人気を博したRAV4

続いて登場したのが、1994年に登場したRAV4だ。このモデルもスプリンター・カリブと同じように、既存のトヨタのコンポーネント(カローラやセリカ)を流用しながら開発されたが、フロアパネルなどは独自に開発。4WDシステムは切り替え式のパートタイム式ではなく常時4WDのフルタイム式を採用。また、オンロード/オフロードの走りを両立させるために、フロント・ストラット/リア・ダブルウィッシュボーン式というサスペンションを採用。SUVはリジット(車軸懸架)サスペンションという常識も覆した。パワートレインは直列4気筒2.0L-NA(3S-FE)とガソリンエンジンのみの設定であった。

内外装は「いかにもSUV」という泥臭い感じは一切排除されており、都会の街並みでも違和感がまったくないカジュアルなデザインが特徴であった。若者がターゲットで価格も本格SUVに比べるとリーズナブルな設定となっていた。ちなみにTV-CMには人気アイドルグループ、SMAPの木村拓哉が起用されていた。

「乗用車の乗りやすさ」と「SUVの安心感」を両立させていたRAV4は、丘サーファーならぬ「丘オフローダー」を中心に高い人気を博した。その後、ホンダ「CR-V」、日産自動車「エクストレイル」、スバル「フォレスターなどRAV4と同じコンセプトのモデルが登場。これらのモデルは現在のクロスオーバーSUV市場を牽引しているモデルばかりである。

RAV4はその後、ユーティリティに優れる5ドアモデルやスポーツエンジン(3S-GE)搭載車の追加などを行なうなど、モデルバリエーションを充実させていく。ちなみにRAV4がベースの電気自動車(RAV4 EV)も登場している。

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