トヨタ「C-HR」は走りもスタイルも規格外だ

渾身の新型SUVが狙うのは「先駆者」の復権

2代目に2000年に登場。海外市場からの要望で、居住性アップのためにボディサイズは拡大され3ナンバーサイズに。内外装の質感もより向上させたが、日本ではライバルの進化やSUVブームの沈静化により苦戦を強いられた。しかし、海外市場では今まで以上に人気を博した。3代目は2005年に登場、どちらかと言えば海外市場が主体となり、ボディサイズは更に拡大、荷室を延長したロングボディ仕様も設定された(日本では「ヴァンガード」の名称で発売)。

現行モデルとなる4代目は2013年に登場。海外向けはガソリン/ディーゼルに加え、2015年にハイブリッドを追加するなど、攻めの攻勢だが、日本はというと、なぜか3代目を継続販売中で、世の中から忘れ去られそうな状況である。実は2013年にレクサス「RX」から切り離され独立して登場したハリアーは、何と4代目RAV4がベースの兄弟車であり、日本市場でバッティングを防ぐためにRAV4は放置、となってしまったのだ。

現在、世界的にクロスオーバーSUVブームで各モデルにさまざまなモデルがラインナップされ、これまでクロスオーバーSUVなど無縁だったメーカーまでもが積極的な市場参入を行なっている状況だが、クロスオーバーSUVの先駆者であるトヨタはライバルに対して埋もれてしまってきた。そんな状況を打破するために開発されたのがC-HRだ。

クルマは『走り』と『格好』

C-HRのチーフエンジニアである古場博之氏に話を聞いた

今回、ジュネーブショーで発表されたコンセプトカーの傍らで、あるエンジニアが常に来場者の視線をチェックしていた。その人こそC-HRのCE(チーフエンジニア)である古場博之氏である。

筆者が古場氏の存在を知ったのが、2010年レクサス「HS250」のCEだった頃である。HS250はどちらかというと、環境性能を売りにしていたモデルであったが、古場氏は「HSは燃費だけに注力したのではなく、ハンドリングにもすごく力を入れています。スポーティなバージョンSは切れ味や爽快感をテーマに、狙ったラインを1cm違わずトレースできます。私自身がガンガン走るのが好きなもので……(笑)」と熱心に語っていたのを覚えている。

その次に古場氏に会ったのは2013年、場所は何とサーキットだった。彼はナンバー付きワンメイクレース「GAZOO Racing 86/BRZ」のドライバーに参戦していた。もちろん完全なプライベーターとして、である。この時、あるWebコンテンツのインタビューで「私はエンジニアですが、テスト車のステアリングを握ってクルマを作っていた。夢は自分の開発したクルマで優勝すること」と語っていた。

筆者はその後、海外ショーの会場で古場氏に会うたびに話をしたが、彼の口癖は「まだ言えないことばかりですが、私にとってクルマは『走り』と『格好』がすべてです。そこは絶対に妥協しませんから期待ください」と。

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