イオンがアウトレット参入か、レイクタウン隣地に常識破りの構想
商圏が異なるこの2業態は近隣に出さないのがいわば業界の“常識”。だが、その常識を覆した例もある。2006年11月にオープンした兵庫のイオンモール神戸北だ。
神戸北の開業から半年後、道を挟んだ向かいに三菱地所系の神戸三田プレミアム・アウトレットがオープンした。既存客の奪い合いが懸念されたが、実際は新規客が増え「客数は2ケタ増になった」(イオンモール)。衣料専門店のテナントも「前年の売り上げを上回り続けている」と語る。イオンがこの体験を参考にしても不思議ではない。
またアウトレット立ち上げの背景には、強力なライバルの存在もある。9月17日、2駅先の新三郷駅に三井不動産が運営するららぽーと新三郷がオープンする。低価格ファッションが人気のH&M、スウェーデンの家具店イケア、米国の会員制倉庫店コストコと、外資流通のそうそうたる顔ぶれが出店を予定する。
レイクタウンには「客を奪われないかビクビクしている」(生活雑貨店)との声もある。アウトレットの魅力で集客力を高めることができれば、有力な対抗策となる。
ブランド誘致がカギ
おきて破りの構想ゆえにテナントの反応は賛否両論だ。「全体の客数が増えるなら歓迎」(アパレル店)との声が上がる一方、「オープン当初は聞いていない話。アウトレットにだけ客が来て、SCに来なくなるのでは」(靴専門店)と懸念する声もある。