致死率約1割!「新型インフルエンザ」の恐怖 日本人の感染症対策は遅れている

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──中でも、H5N1型のリスクを忘れてはいけないと。

岡田 晴恵(おかだ はるえ)/1963年生まれ。専門は感染免疫学、公衆衛生学。共立薬科大学大学院修士課程修了、順天堂大学大学院医学研究科博士課程中退。ドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所に留学。国立感染症研究所研究員、日本経団連21世紀政策研究所シニア・アソシエイトなどを経る。著書多数。

2012年に新型インフルエンザ等特別措置法が作られたほどで日本でも警戒された。H5N1型の問題は現存する。H5N1型が新型インフルエンザになるリスクはまったく減っていない。スペイン風邪も鳥インフルエンザが新型インフルエンザになったもの。世界の人口が最大に見積もっても20億人の当時、8000万近い人が死んだと推計されている。

ただ、2009年に豚由来のインフルエンザが起こって、これが法律上、新型インフルエンザとなった。それは軽微で済み、それで新型とはこんなものとの誤った認識が広がってしまった。加えて、2年後の2011年に3・11があって、大災害の中で行政や企業の危機管理の関心が地震や津波への対策に移行してしまった。

──H7N9型鳥インフルエンザも新型になる可能性がある?

新型になる可能性はH7N9型のほうが高い。遺伝子がヒトインフルエンザウイルスに近いからだ。ただ、H7N9型は弱毒性なので、危機管理問題としてはH5N1型より小さい。H5N1型が新型になったら最悪で、致死率は1割近くになるという予測もある。

企業や個人レベルの対策が必要

飛沫で伝染するインフルエンザは国民の6割までが感染するか、ワクチンによって免疫を持たないと、流行が止まらない。半分以上の人がかかると、流行は尻すぼみになるからだ。そこまで流行し、1割の人が死亡したらたいへんなことだ。だから2012年に対策として、国は特別措置法の下でワクチンや特効薬を備蓄してはいる。ただ、国だけが努力していても企業や個人がきちんと対策を取らないと、経済や自身を守ることにはなかなかならない。

被害を最小限度に抑え、いち早く復興できる方向にすることが対策として大事なのは、自然災害と同じだ。米国はH5N1型の新型インフルエンザに関し安全保障問題としてホワイトハウス直轄にしている。日本企業でも意識の高いところは粛々とこの問題に備えている。私が顧問をしているグローバル企業には、その進出地ごとにチェックを入れて対策を提案している。ただ今はその数が少ない。

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