コロムビアミュージックエンタテインメント取締役名誉相談役・廣瀬禎彦(Part5・最終回)--7時半に出社して仕事は終わらせ、午後は仕事に関係のある外部の人と会い、19時には外へ飲みに行きます

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また、広告宣伝のときに雑誌をたくさん読んだと言いましたが、ほんの2年間とはいえ相当な量の情報が蓄積されました。しばらくは情報を追加するだけでよかったほどです。朝出勤して一時間半、新聞やメディアの人と飲んでから23時過ぎに会社に戻って一時間半、毎日読んでいましたからね。最初は丁寧に読んでいても、だんだん読むべき部分が選別されてきてスピードも上がりました。

皆さんも書店に行って立ち読みすれば、有効に情報を集められるはずです。夜になると本屋さんが閉まってしまうのでコンビニに行かれると思いますが、雑誌の種類が意外に多いのはナチュラルローソンですよ(笑)。

雑誌ではないのですが、経営を目指す方には、『ものづくり道』(西堀栄三郎)という本もおすすめです。管理は限界を超えたときに手を打てばいいなど、著者が提唱する日本流品質管理はぜひ参考にしたい考え方です。

--ご自身の考えを社内に浸透させる秘訣はありますか。

相手に納得性が出れば仕事をきちんとやってもらえますから、なぜそうなるのか、なぜそう考えるのかという理由を話すように努力しています。あとは話し方ですね。できるだけ理解してもらえるよう、相手の頭の中でどんな絵になっているのかを考えながら話しています。言葉の流れとして理解するよりも、イメージを持ったほうが人は忘れにくいですから。

大学院のときに微分方程式を絵にするという訓練を受けましたが、いまでも複雑な話をするときは絵を描いて説明しますね。わかりやすい話をするためには、わかりやすい文章を書く練習も有効です。某新聞社では、新人記者は最初の3カ月間、新聞1面のコラムを書き写すらしいです。みなさんも1カ月やれば文章がうまくなりますよ。

(写真:鈴木紳平)

ひろせ・さだひこ
 1969年慶應義塾大学工学部を卒業、日本アイ・ビー・エムに入社。凄腕営業マンとして数々の受注を獲得し、宣伝部長、事業部長を歴任し、アスキー常務取締役に転身。同社専務から、さらにセガ代表取締役副社長、アットホーム代表取締役社長に就任しネット業界を牽引。2004年1月には、コロムビアミュージックエンタテインメント代表執行役兼最高経営責任者(CEO)に就任。09年5月に同社取締役名誉相談役に就任。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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