井阪隆一 セブン−イレブン・ジャパン社長--値引き販売は広がらない、規模拡大でコスト吸収

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積極的な加盟店支援で売り上げを拡大する

--廃棄ロスの15%補填もその施策の一環ですか。これは恒常的に実施するものなのでしょうか。

はい。お店に積極的な品ぞろえをしていただくための策です。弁当やパン、日配品を対象に今後もずっと続けます。

--しかし、恒常的となると体力がなければできない施策ですね。他社の追随は難しい。加盟店支援の拡大に舵を切って、体力勝負に出たという見方もありますが。

15%負担はあくまでも本部と加盟店との関係性において出したもので、それ以上でも以下でもありません。値引き販売の報道を通じた「もったいない」の反作用で、加盟店が廃棄を減らそうとして品ぞろえができなくなることを防ぐためです。体力勝負だなんてとんでもない。

--公正取引委員会から排除命令を受けた後、値引き販売をする加盟店は増えましたか。

命令を受けた前後で少し増えましたが、その後はずっと100店強くらいです。今後値引き販売のやり方をルール化しても、あまり広がらないと思います。夜9時閉店のスーパーが決まった時間に値引きをしていれば値下げ品を狙って行きますが、コンビニは必要なときに必要なものを買う使い方が一般的でしょう。わざわざ50円引きのおにぎりを探して買おうとは思いません。

実際、値引き販売をしている店の売り上げは減っています。お客様が「あの時間帯に行くと商品がない」と覚えてしまうと客数が減るでしょう。当初はロスが減って利益が上がるように見えますが、長く続けると売り上げが減り、縮小均衡に陥ってしまいます。

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