片務性が著しいフランチャイズ契約、加盟店の権利と本部の義務を明確化させる法整備が必要

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 だが、現実は惨憺(さんたん)たるものであった。開店した昨年12月が売上高115万円、営業損失80万円。今年1月売上高88万円、営業損失67万円。2月売上高79万円、営業損失66万円。その後も月間売上高は開店月にも達せず、月間営業損益は最後まで大幅赤字だった。結局、同店は出血に耐えられず、1周年にも満たず閉店に追い込まれた。

オーナーのU氏は、実態とかけ離れた収支モデルが加盟を決める大きな判断材料になったとして、本部を相手取って損害賠償請求訴訟を起こす構えだ。

試算には、「上記の収支モデルは売上予測ではありませんので、予めご了承下さい。売上保証に類する行為も一切行いません」という本部を免責する文言が記されているが、加盟希望者(ほとんど古書店経営の素人)の判断に与える影響は大きい。

契約書によれば、開店時に初期在庫、設備、備品などの費用と加盟金、プロデュース料、広告宣伝料などが本部によって加盟店から徴収される(同店の場合、合計1300万円)。

一方、本部にはリスクはない。また、閉店時にも本部にはリスクは原則として発生しない(ただし、本部が店舗賃借の保証人になっている場合には一部リスクを負う)。

出店の経済的リスクはほぼ加盟店側が負う仕組みで、加盟店数を増やせば増やすほど、加盟店の成功・失敗にかかわらず本部が儲かる仕組みになっている。さらに加盟店には、後述するようにさまざまな義務が課せられているが、本部側の義務規定はほとんどない。つまり、このFCで生じている係争の大部分が、著しく片務的な契約に起因している。

“足抜け”許さぬ契約内容

そこで、ある加盟店の契約書を見てみた。たとえば契約期間条項。

「本契約の更新を望まない場合には、本部フランチャイジーともに6ヶ月前にその旨を文書にて申し出た上でフランチャイジーは解約金として金100万円を本部に支払う事により本契約は解消されます」とある。

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