毎月の支出、「ココ」を見直せば貯蓄できます 使途不明金を撲滅すれば2万円の捻出は簡単

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それと、逆に見直さないほうがいいのは保険です。マイナス金利になると、多くの保険会社は保険内容の見直しを要請してきます。なぜなら、マイナス金利で予定利率が下がるため、運用が困難になるからです。つまり、以前に加入した保険のほうが、これから新規で加入する保険に比べて条件がよくなるため、昔加入した保険がお宝になるのです。

今、この時期に見直しをするならば、前述した住居費に加え、電力自由化で注目される電力会社の見直しをお勧めします。結構、いろいろなところが新電力会社に名乗りを上げているので、価格競争も進みそうです。また変動費である通信費も削減しやすいひとつ。通信キャリアの比較、見直しを積極的に行ってみましょう。

カードのオートチャージ設定にご用心

逆に苦労するのが通信費以外の変動費の削減です。たとえばSuica(私の地元はPiTaPaなんですけどね~)のような、チャージ式のカードは、今や用途が限りなく広がっていて、電車だけでなく、タクシーでも、コンビニのお買い物でも、自動販売機でも、レストランの支払いでも使えてしまいます。これでチョロチョロおカネを使ってしまうと、その把握が困難になり、いつか使途不明金になってしまいます。しかも、最近はオートチャージ設定ができるため、いつチャージしたのかもわからないまま、ひたすら使い続けてしまう恐れがあります。

この手の支出は変動費のうち、雑費に含まれるものですが、相談を受けて家計診断などをすると、この手の使途不明金は必ずあります。1カ月のうちで、大体2万円程度はあるでしょうか。それは、こうしたチャージ式カードの無節操な使い方による部分が結構あります。正直、オートチャージは便利ですが、変動費の把握という点では、使わないことをお勧めします。

また、用心すべきはチャージ式カードだけではありません。クレジットカードも使途不明金になりがちです。なので、クレジットカードを使って買い物をした時の代金を家計簿に計上するのは、引き落とし時ではなく、使った時にしましょう。あるいは、マネーフォワードのような家計簿ツールを使って把握するのも一手です。

もっと言えば、自分の行動範囲を把握し、そのなかで頻繁にお買い物をしているお店があったら、その会社が発行しているカードでお買い物をすると、ポイントが貯まりやすくなり、「使ってトクする」を実践できます。もちろん、ポイントを貯めたいから使うなどという、本末転倒なことをするのはお勧めできませんが、銀行預金の利息もほとんど付かない現状、百貨店カードなどのポイントは、ポイント還元率などを考慮すると、意外とおトクです。

このように、チャージ式カードにしても、クレジットカードにしても、無駄な使い方さえしなければ、使途不明金に悩まされたりはしません。使途不明金さえ無ければ、毎月2万円が節約でき、それを積立投資などに回せるようになりますよ。

 

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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