(第23回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十話『内定不安』

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理由がはっきりせず、何となく、
不安で仕方がないというケースは?

 こうした状態になったら、まずは原点に帰ることだ。就職活動の自己分析で行ったように、考えられる理由を列挙し、自分自身が引っ掛かっている理由を探し出すしかない。
 どうしても他に行きたい企業があり、あきらめられないのか等々、今感じている不安を整理しておきたいものだ。いずれにしても、せっかく入社した企業に、すぐにオサラバすることのないように。この時代環境では、3年未満で早期退職をした新卒者に、次の企業はなかなか見つからないと考えてほしい。

 また、よほどの理由でない限り『就職浪人』だけは避けた方が賢明だ。就職活動と大学受験とは明らかに、その性質が違う。就職試験の内容は、筆記試験ばかりではないことは御存知だろう。単に試験の点数をアップしただけで合格できるわけでない。当該企業の“求める人材”に合致していなければ、浪人をしたところで、成果があがるはずはない。むしろ、浪人後の面接では「あなたは、なぜ就職浪人をしたのですか?」と確実に尋ねられることを覚悟すべきだ。その際に、「どうしても御社に入社したかったから」と答えたところで、まったく説得力はない。なぜなら、どうしても、その企業に入りたい人たちばかりが受けに来るのだから…。

 多少の不安や戸惑いは新生活に臨むときにはつきものといえよう。ワクワク感と緊張感の狭間にいるのは、けっして珍しいことではない。こうしたモヤモヤを振り払うために必要なことは、不安材料を明らかにし、その一つひとつに納得する結論を得ていくことに尽きる。社会は『平穏無事』なことが、驚くほど少ない。『一喜一憂』しながら、日々を懸命に生きている先輩達が多いことを知っておいてもらいたい。
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文館出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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