財布の中身の奪い合いから、個人の時間を奪い合う時代--林野宏・経済同友会消費問題委員会委員長(クレディセゾン社長)


--現在の消費は、おカネだけではなく、時間も重要な決定要因になるのですね。

出掛けていって、買い物をして、帰ってくる時間を考えれば、家にいながら買い物ができるテレビショッピングや、ネットショッピングのほうが、時間も交通費もかからない。おカネの消費と時間の消費という、両方を見極めながら決めていく購買行動が増えている。

だから、お客を待っているだけの百貨店は、来てくれないので売れない。むしろ、お客のほうに近づいていくビジネスが成功しているわけですよ。テレビやネットでのホームショッピング以外に、家まで来る宅配便のサービスも受けている。コンビニエンスストアも、住まいの近くとか職場の近くにやってきています。可処分時間の重要性を考えれば、当たり前のことが起こっているだけですよ。

--コンビニ業界といえば、弁当廃棄の問題がクローズアップされていますが、もったいないということだけではなく、適正な仕入れの必要性が求められているわけですね。

「見切り販売はダメ」と言うのは小売りの原則に反していますよ。価格決定権は、絶えず売る側になければいけない。それが正常な姿。値崩れするとか機会ロスが出るとか言っているが、それはへ理屈ですよ。販売する人が値段を決めるというのが当たり前。弁当も雨が降ると余っちゃうから、仕入れの量を少なくすればいい。そうでなかったら、早く安くして売っちゃおう、と考えて実行するのが小売りの主体性なのです。

儲けは少なくなるかもしれないが、在庫廃棄の負担を100%店側が負うのはおかしい。小売業は売り切ってしまうのが本分。売れなかったら、どう処分するかまで考えるのが小売業だ。15%を本部が負担するから見切り販売はダメ、というのは根本的な原理原則が間違っている。

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