傷だらけの欧州経済は輝きを取り戻せるのか--ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授
もし再び改革が始まれば、欧州は今後10年にわたって、少なくとも米国と同程度の1人当たり所得のアップを享受できるだろう。加えて、米国の財政の持続性に対する懸念が高まっていることを考慮すると、ユーロには準備通貨として大きな役割を果たすチャンスがある。
しかし、もし欧州が改革に挑まなければ、欧州は世界の経済政策分野において、米国に対抗できなくなるだろう。現在、欧州の人々は、米国の拮抗力となる必要性を感じていないかもしれない(オマバ大統領のTシャツを着ている人は米国よりも欧州に多い)。だが将来、もしジョージ・ブッシュのような大統領が再び登場すれば、話は違ってくるはずだ。幸いなことに、欧州の人々が再び前進を始めるまでに、そんなに長い時間はかからないだろう。
Kenneth Rogoff
1953年生まれ。80年マサチューセッツ工科大学で経済学博士号を取得。99年よりハーバード大学経済学部教授。国際金融分野の権威。2001~03年までIMFの経済担当顧問兼調査局長を務めた。チェスの天才としても名を馳せる。
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