【新規上場企業・社長インタビュー】クックパッド・佐野陽光「毎日の料理を楽しくするのが役目です」
携帯関連をもっと充実させたい。たとえば、利用時間帯のピークをみると、パソコンは16時から17時なのに対し、携帯は17時から18時になっている。これはパソコンは買い物に行く前に見て、携帯は店頭で見ているためではないか。利用の仕方をもっと正しく理解し、よりよいサービスを開発する必要があると思う。
Q: すでに利用が見込まれる層には浸透仕切っており、利用者増に限界が見えているのではないか。中期的な利用者拡大の戦略は。
A: クックパッドの登場によって、料理を楽しむようになった人たちもたくさんいると思う。「たられば」だが、もしクックパッドがなかったら、若い人はもっと料理をしていなかったかもしれない。
つまり、今後はさらに料理を楽しくするサービスを開発することで、これまで料理をしなかった人がクックパッドを使って料理を楽しむようにしていきたい。マーケットは若年女性に限らない。数字はあくまで結果だが、まだまだ利用者を増やす余地はあると思う。
Q: サイトへの広告掲載が主な収益源だが、広告市場は厳しい。
A: 確かに市場全体の環境は厳しい。ただ、食品業界の広告費は年間3000億円規模もあり、まだ当社の占める割合は微々たるもの。加えて、広告主は、広告の費用対効果を厳しくチェックし、広告や販促のやり方を見直す動きを強めている。われわれのような新しい技術を用いた新参者にとって、この厳しい環境はむしろチャンスだろう。
Q: 広告媒体としてのクックパッドの強みは。
A: 料理をしたいユーザーと、商品を売りたいメーカーの間にある情報のギャップを埋められることだと思う。
最近は「安いものしか売れない」などとよく言うが、実態は違う。料理をする人は、食べる人や家族が喜ぶためなら、高くてもちゃんとお金を払うのだ。