補正予算で厚遇されるテレビの地デジ化、2年後にはタダでテレビを配る?

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 さらに、当初予算の約600億円についても問題点が浮かび上がっている。高齢者や障害者への周知徹底のために計上されている予算は88・2億円。この予算は、町内会・自治会単位で行うきめ細かい説明会15万回、福祉施設など8・5万施設への訪問説明、独居高齢者宅250万世帯への個別訪問を前提にはじき出したものだった。

ところが、総務省は特に対外発表することなく当初計画を下方修正。全国の町内会・自治会への説明会開催は7・5万回へ、福祉施設等への訪問は7万施設に、独居高齢者宅への訪問は90万世帯へ大幅に減少させた。それに合わせて予算も減額されていれば納得もいくが、金額は当初計画から変更されていない。

この理由について総務省は「(全国町内会・自治会への説明会の回数など)当初予算では、見積もりが甘かった。予算額が減っていないのは、説明会に派遣するスタッフの人件費や会場代などに、思った以上に費用がかかることが後からわかったため」(地上放送課)と釈明する。だが、業界の中では「回数の減ったことが財務省の知るところとなれば、せっかくの予算を絞られてしまいかねない。うまく使い切るように回数や費用を計算し直して、帳尻を合わせたのではないか」と指摘する関係者もいる。

「民間企業であれば、費用を効率よく使って、余剰資金ができれば評価の対象となる。だが、お役所仕事はまったく逆で、予算は何としても使い切ろうとする。当然、ムダが多い」(業界団体幹部)。今回の地デジ関連の予算が本当に効率よく使われるのか、不信感も募る。

英、米より圧倒的に手厚い日本の支援

実は、日本の地デジ予算は海外の先進国に比べても圧倒的に多い。6月12日にデジタルへの完全移行を完了した米国が充てた予算は、総額で約15億ドル(約1440億円)。今年1年の日本の予算よりずっと少ない。12年度末に完全移行を予定している英国でも、支出として見込んでいるのは総額6億0300万ポンド(約961億円)にすぎない。両国の予算は基本的に弱者救済を目的とした受信機の購入支援に限られているためだ。

日本に比べてケーブルテレビや衛星放送が発達している米国では、地上波をアンテナで受信している世帯数は全体の2割弱に当たる2000万世帯で、低所得者や高齢者、移民などが多いのが特徴。米政府は、デジタル放送をアナログテレビで視聴するためのコンバーター(変換機)の購入を支援する40ドルのクーポン券を、1世帯当たり2枚まで支給した。申請すれば誰でもクーポン券をもらえる仕組みとなってはいたものの、生活弱者の支援が主眼だ。

英国では、デジタル移行支援の対象となるのは75歳以上の高齢者や重度障害者など。40ポンド(年金受給者、生活保護受給者などは無料)支払うことで、受信機の支給、設置、使い方の説明を受けることができる制度になっている。

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