サッカーという名の戦争 平田竹男著
サッカーファンなら一気呵成に読み通すだろうし、サッカーに興味のない人も多くのことを学ぶだろう。国と国とのサッカー対決が単なる技術と戦術で決着がつくと思っている人には目から鱗のはずだ。その中核にあるのはマッチメークという名の戦略思考と交渉能力である。
いつ、どこで、どの国と、いかなる選手を想定して試合をセットするかの戦い。強化試合だろうとW杯だろうと、それが当日の勝敗もその先の帰趨も決めていく。通産官僚として積み重ねた国際人脈と知見、日本サッカー協会専務理事として発揮された戦略戦術、そして何よりも少年時代からのサッカーへの情熱、これらが渾然一体となったピッチ外の戦いが披瀝される。
監督や選手が賞賛され罵倒されるその裏側には、知られざる真実があった。そしてサッカーの世界から見えてくる国家戦略論、国際友好論、スポーツビジネス基盤強化への提言はどれも十分に説得的である。(純)
新潮社 1365円
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