人が日本一集まる街・福岡の「タグ付け」戦法 原点は反骨心、高島市長の"異色"地方自治

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――福岡市のトップとして、高島さんがリーダーシップを発揮するために心がけていることは?

リーダーシップを取っていく上では心臓の強さが肝心。覚悟という言い方もできますね。大都市ですし、福岡は154万人が暮らす大きな都市ですし、人それぞれいろんな意見があり、批判があるのは当然です。でも、8、9割が賛成と言うまでじっと待っていたら、時代が変わってしまう。

何事も100%はないわけで、賛否両論あっても、攻めなきゃいけないときには攻める。まず決断した上で、それによって起こるマイナスの部分をいかに小さくする努力をしていくか、こっちのほうに時間を使う。最初から批判を恐れて決断しないことがもっともよくないことです。

もうひとつ、「何をするか」はもちろんですが、「誰とするか」を重視しています。私自身、選挙に出る前はテレビに出ていて、街で声をかけてもらうことも多く、すごく友達が多いと思っていました。けれど、選挙に出ると宣言した瞬間、みんな目の前から消えてしまった。

下心を持つと、真の同士に愛想を尽かされる

――え! それは意外なことですね。

そんなもんですよ。「陰ながら応援している」と言うのがいちばん怪しい人で、選挙が終わるまでまったく姿を見せず、当選したら来て「ずっと応援してました」と(笑)。そこはすごくいい勉強ができたと思うんです。大くくりに「友達」と言えますが、その中に「ただの知人」と、大変なときに助けてくれる「同士」がいるんだと、そのとき初めて気付きました。

いざとなったら逃げて都合のいいほうにつくような人に気を遣い、こっちも仲間に入れたいと下心を持つと、真の同士が愛想を尽かして去ってしまう。プロジェクトを進めていく上でも、心から信頼し合える同士とともに核となる強固なチームを作ることがすごく大事だと思っています。

――この5年で周囲の態度も変わってきましたか?

そう、そういう意味で、市長になってこれまででもっともうれしかったのは、市税収入伸び率1位という結果が出たこと。就任から3年間で税収伸び率は政令市で11位から1位になりました。1期4年間で見ても1位を持続し、額自体も2年連続で過去最高を更新しました。

「若い」とか「アナウンサー出身」というだけで信用されなかったからこそ、ずっと「結果」にこだわってやってきた。だから数字が出たことはすっごくうれしいんですよ。あのときの悔しさと「負けてたまるか」という気持ちがあったからこそ、成果が出せたのだと、実は感じています。

――そして一昨年の11月、史上最多得票で再選を果たしました。

あれだけの票をいただいたのは、皆さまから評価いただいた結果とありがたく受け止めています。これからも都市の成長を目指しつつ、その成果を子どもからお年寄りまで、広く生活の質の向上へとつなげて、この好循環を加速させていきたいと思います。

(撮影:長﨑辰一)

佐々木 恵美 フリーライター・エディター

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ささき えみ / Emi Sasaki

福岡市出身。九州大学教育学部を卒業後、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、Web、国連や行政機関の報告書などの制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人や経営者をはじめ、様々な人たちを取材。

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