三菱UFJがモルガン・スタンレーと提携し米州攻略へ、巨額出資の見返りはいかに

三菱UFJがモルガン・スタンレーと提携し米州攻略へ、巨額出資の見返りはいかに

90億ドルの巨額出資から8カ月--。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、米モルガン・スタンレーと業務面での提携戦略を発表した。企業向け融資のマーケティングを手掛ける合弁会社(JV)を設立するほか、モルガンがコモディティ関連商品をMUFGに供給。さらにモルガンへ継続的に年間10~20人の若手行員を派遣するという。

特に注目を集めたのはJV。米国、カナダ、中南米で、非日系の法人顧客に対して融資や社債、エクイティまで広く資金調達ニーズに対応する。最近の国境を越えたクロスボーダーM&Aを含む大型ディールの傾向として、つなぎ融資や、それを長期に切り替える社債発行、あるいはエクイティ発行などをワンストップで提供する手法が定着しつつある。JPモルガンやシティグループなど融資基盤を持つ銀行系が大型ディールを獲得する例が増えている。

今回のJVには、M&Aの助言・提案そのものは含まれない。しかしモルガンがM&Aの助言を行った場合、MUFGが融資して、モルガンが社債や株の引き受けを担うといった相互補完を行う。「他の巨大金融機関のビジネスモデルと同様のものを二社協業で成立させる」(平野信行三菱東京UFJ銀行副頭取)。最大の狙いは大型ディールを獲得することで、米州での大企業取引における存在感の維持・向上を図ることだ。一定の条件を満たす買収案件ならば、顧客の了解を得た上で必ず紹介し合う排他的な契約にするという。

モルガンは昨年からの金融危機で財務上の余力が限られ、融資基盤を持っていない。一方、MUFGは120兆円もの預金基盤があり、モルガンはこれを武器にライバルに対抗できる。MUFGも米州6位のシンジケートローンをより増やすことに加え、ローンの一部に参加するだけでなく、大型ディールの共同アレンジャーのチャンスを狙う。

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