「中学受験」どうする? 小学生の親1000人にネット調査《本当に強い中高一貫校》
私学受験熱は頭打ち? 重くのしかかる高学費
受験事情に詳しい森上展安(のぶやす)・森上教育研究所代表は「私立中学の受験率が11年ぶりに減少した」と話す。
受験率は推計値でしかとらえられず、調査機関によってもデータは異なりうる。森上氏は今年2月1日の私立中学受験者数による受験率がついにピークアウトしたことに注目している。2月1日は首都圏私立中学の受験集中日。その状況が受験動向を分析するうえで重要だからだ。
経済危機は、すでに私立学校に通っている生徒にも深刻な影響を及ぼしている。私立学校の教職員で組織する全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が公表した「私立中高生の経済的理由による退学と学費滞納調査」によると、08年度末の経済的理由による中退者数は対象生徒数の0・2%と、07年度末に続いて高水準で推移している。
全国私教連では学費負担軽減のための私学助成拡充を求めているが、現状では私学への進学におカネがかかることは事実。となれば、冒頭の進学フェアで見られた熱気が、実際の私立中学受験にどのようにつながっていくのか、先行きは不透明だ。
そこで最近、特に注目を集めているのが、全国で新設が相次ぐ公立中高一貫校だ。教育ニーズの多様化を背景に「公立復権」の切り札として登場しただけに、「安い学費で充実した教育を」と親の期待も高まる。ベネッセの進学フェアでも、公立の会場で行われた学校側出席者による講演会は満杯状態だった。