「男性の育児休業取得者数ランキング」50社 「CSR企業総覧」で読み解く有望企業<3>

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4位は日本生命保険の264人。全員1週間以内だが、取得率は100%だ。同社は全社員数7万783人のうち女性社員が6万3363人と89.5%を占める。男性は少数派だが、ダイバーシティ推進の一環として、「男性職員の育児休業100%取得」を目標に掲げ、2013年504人に続き2年連続で達成した。

以下、5位みずほフィナンシャルグループ260人(1週間以内257人)、6位旭化成231人(同228人)、7位三菱UFJフィナンシャル・グループ211人(同207人)と続く。

このように男性取得者が多い会社も増えてきている。だが、男性の取得は妻の出産後に数日から1週間以内といった短期型が多い。女性は出産後8週間の産後休暇となるが、男性は出産後すぐに育児休業となるため、数日の有休程度でも「育休」とされる。そのため、以前は妻の出産前後に通常の有休で休んでいたケースが、最近は「育休」とされることも多い。

半数以上の企業では取得者ゼロ

さらに、今回の集計でも依然57.3%の467社は取得者ゼロ。『CSR企業総覧』の掲載企業は従業員を大切にし、社会とのかかわりもしっかり考えている会社が多い。それでも過半数の会社で男性取得者はいない。男性の育児休業取得はまだ例外的な存在であることは間違いなさそうだ。

とはいえ、こうした状況も第一歩としては重要だ。今でも男性社員が取得しようとすると嫌がる上司は少なくないといわれる。そのなかで男性の育児休業取得者が1人でも存在するということは、「男性の取得に対して拒否反応がない」とみることもできる。こうした会社は今後、長期の取得者が増えていく可能性は高い。

『CSR企業総覧2016』(東洋経済新報社)。有力・先進1325社のCSRデータを掲載。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ただ、子育ては生まれた直後だけではない。共働きであれば、子供が熱を出した際にときには会社を早退して帰る、週に数回でも保育園に迎えに行き、奥さんが残業できるようにするといったことができるかも「子育てのしやすさ」の重要なポイントだ。そのため、本当に男性でも子育てにかかわりやすいかは取得者数以外の情報も見ておく必要がある。

実際、男性取得者がいる会社はそれ以外の子育ての制度面も充実しているケースが少なくない。『CSR企業総覧』には「3歳~就学前の子を持つ社員が利用可能な制度」、「特筆すべき家庭と仕事の両立支援制度」の記載もあり、男性向けの制度も年々増えている。これらをじっくり読むと、育児休業取得だけでなく、子育て全体の支援に積極的かどうかがわかる。

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