広告代理店の「パワポ離れ」が進んでいる 「議論を深めること」を重視

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ニューヨークのグローバル・マーケティング・エージェンシー、KBSでは、マット・パウエル共同社長が、Keynoteはひき続き使用されているが、絶対に必要な場合だけ使用するよう組織的に取り組んでいる、と語る。

「チームがプレゼンを、文章中心の読む資料としてではなく、オーディエンスとの対話や会話を助ける視覚的な資料として利用することを期待している」

今後は、「プレゼンといえばデッキ」というあり方を改め、説明が必要な場合はパンフレットや試作品、ポスターを利用して議論を促すという。

Amazonでは2年前から「プレゼンソフト禁止」に

確かにエージェンシーは、こうした時代の波に乗るのがいささか遅い。米国の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)に取り組む物理学者たちは、約3年前にプレゼンソフトの使用を禁止した。ジェフ・ベゾス氏がAmazon(アマゾン)で2年前にプレゼンソフトを禁止したのも有名な話だ。LinkedIn(リンクトイン)のジェフ・ウェイナー最高経営責任者(CEO)は、2013年に社内でのプレゼンを廃止し、代わりに、24時間前にミーティング用資料を送るよう従業員に求めている。

ワーク・アンド・コーのリーベル氏によれば、クライアントはこうした変化を肯定的に見ている。パワポのプレゼンを廃止することで、議論を深める際に、思考の流れをせき止めることなく、エージェンシーと連携していくことができるからだ。同社では、実際の試作品や議論を通じたPOC(概念実証)の比重が増えているという。

ヒュージのカジム氏は、クライアントの立場から、デッキの代わりにプロジェクトの試作品が目の前に置かれることに関して、誰も不満を漏らさないと語る。「チームで一丸となって取りかかってデザインについて考えさせると、誰もがそれについて話し、問題が早い段階で見つかる。誰かが始終その場を仕切って、最後まで主張を続けるプロセスよりは、だいぶマシだ」

エージェンシーの幹部がプレゼンを禁止しない場合には、別の解決法がある。ひどい出来のときに、同僚がそれを伝えればいいのだ。ピュブリシスのグアナーニ氏は、「プレゼン資料の出来が悲惨な場合、お互いに率直にいい合うこと」を助言している。そうすれば、パワーポイント以外のコミュニケーション手段に社員が目を向けるようになるからだ。

Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

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