「地方創生」はディズニーの仕掛け人に聞け! 人を集める「HAPPINESS」12の要件
個体維持本能が充足すると、人々は次に、より持続的かつ良好な個体の持続、つまり健康を増進し、生活機能を高め、新しい可能性にチャレンジしようという本能がわいてくる。
その現れが健康ブーム、スポーツブームである。健康は人々がHAPPINESSを感じる重要なポイント。人集めにもスポーツは欠かせない要素となる、と堀がよく話していた。
たとえば東京マラソンをはじめ全国各地のマラソンイベントに人がつめかけ、抽選にあたるのも大変な状況という。 なぜそれだけ多くの一般人ランナーが集まるのか。彼らの多くは健康とそのチャレンジにHAPPINESSを感じるからだろう。
肉フェスの場合には、「熟成肉」(熟成により美味しくなっているだけでなく、脂肪分が少ない部位のためヘルシー)・「肉食系女子」を前面に出していた。「食×健康」という最強の2要件を強調することで、関心を引いたのでないだろうか。
人間はたったひとりで孤立して生きていけるものではない。必ず生物として種の一員であり、社会の一員である。個体の維持本能とは別に種族保存の本能も持っているため、その本能が満たされたときにも、HAPPINESSを感じる。人間には男と女があって種族保存のため、お互いに相手を必要とするようになっている。人と人との「出会い」のことである。出会いのチャンスをつくるということは、HAPPINESSを求める人々にとって重大なことであり、人集めにも欠かせない要素となっている。
近年、それを究極的に進化させたのがSNSだ。人がSNSに多くの時間を割くのは、誰かと巡り会うことでHAPPINESSを感じることの証左ではないか。
肉フェスの場合には、「肉フェスコン」という男女の出会いの場が用意されていた。また、グループで来場することを想定し、グループで会話をしながら列に並ぶことができるレイアウトにこだわっていた。出会いは人集めを成功させるうえで欠かせない要素なのだ。
さて、ここまで堀貞一郎のHAPPIESSの12要件のうち、最初の3要件について紹介した。こうした点について、各地で行われるイベントや地方創生は、どれだけ真剣に考えているだろうか。地方創生は、自治体の担当者が、人を集めるアイデアを持つプロデューサーや事業主体を探すところから始めることが多い。しかし、何のために人は集まるかという「大前提」がないままに始まれば、外部から華やかなアイデアが降ってきたところで、「仏作って魂入れず」となってしまうかもしれない。今年から「地方創生」政策がスタートするが、今あらためてこの部分が問われているように思う。
次回は、HAPPINESSを感じる12要件の続きを紹介する。
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