【前田新造氏・講演】“人”が創る企業力−組織を活かすリーダーシップ−(後編)

 先に3つの夢としてご紹介申し上げたうち、3つ目の「魅力ある人で組織を埋め尽くす」こと、この人材再生こそ最も重要なテーマであると考えております。しかしながらこれには時間がかかります。また難易度が高い取り組みでもあります。しかし数ある経営資源の中で唯一、人だけは1のものを2にも3にも変えることのできる経営資源でもあります。本格的なグローバル化を目指すに当たり、資生堂は人の力をどのように考えているのか。リーダーシップをどのようにとらえているのか。そこへ向けてどのような具体的な体制を準備するのか。こうした問いに対する明確な解答を全社員で共有することが大切だと思うわけです。
 そこで、「魅力ある人で組織を埋め尽くす」というビジョンを実現するために、人を育てるという原点に立ち返り、会社の意志を明確に示そうと考え、2006年10月に「資生堂『共育』宣言」を社内に発表しました。「共育」とは「共に育つ」と書きます。一人ひとりの社員が主体的に成長する意志を持ち、共に育ち合い、育て合う会社になること。つまり社員の成長と会社の成長が重なるような会社になる。この宣言の場では資生堂がどのような志を持って生まれたのか。また先達が育んできた資生堂独自の価値の大切さ、それを継承していく私たちの使命について全社員にメッセージを送りました。
 グローバル企業を目指すに当たり、「資生堂『共育』宣言」では、資生堂人として育みたい能力と感性の指針として「美意識・自立性・変革力」の3つを定めました。特に美意識は当社ならではの指針だと思っています。私たちは美しさと豊かさを創造し、人から人へおもてなしの心とともにお客さまにお届けすることを生業としています。そうであるならば、資生堂の社員は美意識、言い換えれば美しさへの感性をことさらに大切にすべきであると思うからです。自立性と変革力は言葉通り、企業使命を果たす上で一人ひとりが主体的に考え行動に移すこと、そして代々の資生堂社員がしてきたように新しいことへ果敢に挑戦する意志と実行力を持ってほしいということでこの2つを挙げました。さらに人材育成の基本方向として、全社員が各分野で専門性を高めプロフェッショナルとして成長することであるとしました。当社では、まず人は仕事で磨かれる、仕事を通じて育つということを基本に置いた上で、OJT、異動ローテーション、評価、研修の4機能が人を育てるとしています。

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