【前田新造氏・講演】“人”が創る企業力−組織を活かすリーダーシップ−(後編)
●決めるべきときに決断できないことが最も罪が重い失敗

もう一つは「決断」についてです。完全な人間などいないと私は思っています。しょせん不完全な人間の行なうこと、パーフェクトなどありえない。であるならば、「60%即決主義」。100%まで待っていては時機を失ってしまいます。ならば決断は失敗を恐れずにタイムリーになせということです。決めるべきときに決断できないことが最も罪が重い失敗だと申し上げています。まずやってみて、手直しをしながらパーフェクトに近付けていけばいい。そしてもし間違っていたと思ったらメンツや意地にこだわらず、ダメージが大きくならないうちに決定し直せばいい。少し乱暴な言い方かもしれませんが、「決断とはいったんやってみる仮説だ」と申し上げています。
最後に「管理職」についてです。地位、役割、肩書きとは組織のために自分の力を発揮するための一時的な役割であると思います。したがって権威は暫定的なものに過ぎません。そのときの組織の便宜的な統制の一機能であり、サービスの一部であると受け止めるべきだと思います。機能や役割もいつかサビが出て摩耗していきます。つまり組織の機能障害になる前に交換しなければならなくなるものだということです。この点から、私は社長就任直後から役職が上に行くほど厳しい会社が当たり前の姿である。つまり私自身も含めて管理職は上から範を垂れることを常に心に止めて行動すべきであると申し伝えております。
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