米アマゾン、一般人への宅配委託強化のワケ 配達対象商品の急拡大でコスト圧縮を狙う

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配達前のアマゾン宅配ボックス。米マンハッタンで1月に撮影 (写真: ロイター/Mike Segar)

米オンライン小売り大手アマゾン・ドット・コムが昨年導入を表明していた、一般人に宅配を委託する新サービス「アマゾン・フレックス」に関する隠れた実態が判明した。テキサス州北部の登録ドライバー3人が、過去数週間にアマゾンから受け取ったメールの内容などを、匿名でロイターに明らかにした。

アマゾン・フレックスは現在、シアトル、ラスベガス、ダラスなど米国14都市で導入されている。アプリを通じてドライバーへの指示を行い、会員制の急ぎ便サービス「プライム・ナウ」の商品を配達してもらうというプログラムだ。

仕組みはタクシー配車会社のウーバー(Uber)と似ている。現在配送を委託しているユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やフェデックス(FedEx)などの運送業者とは別に自前の配送網を充実させて、配達の迅速化やコスト低減を図るのを目的としている。

昨年のアマゾンの配送コストは、前年比18%強増の115億ドルだった。

アマゾン商品全般も宅配対象に

ロイターが確認したメールによると、アマゾンは、現在数万点にとどまっているプライム・ナウ対象商品に限らず、追加のチップを稼げる「新たな機会」として、2億点を超えるアマゾンの取扱商品全般の宅配も持ちかけている。ただし、こうした例はダラスのフォートワース地区で働くドライバーに限られているもようだ。

また、配達の質を保つため「中型セダン以上の4ドア車」を使うよう義務付けている。労働時間は休日を含む毎日午前8時〜午後4時から選択可能。時給は当初18ドルで、最大25ドル。車の保険料やガソリン代はドライバーが負担しなければならない。

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