新設相次ぐ有力私大付属、大学合格実績で存在感示すが、ブランド力の見極めも必要《本当に強い中高一貫校》
それでも、入学者は中学で47人と定員120の約3分の1にとどまる。進学選択コースを廃止して特別進学コースに絞った高校はさらに深刻で、定員140に対し合格者は19人と、大幅に下回った。
「学校運営を軌道に乗せるには共学化が前提。施設の問題を伴うので時期は確定していないが、共学化の効果は単純に2倍でなく、実際は3倍になると言われている」(田中理事)と共学化を待望する。
首都圏に先駆けて大学付属校の拡大が始まった関西で、幼稚園から高校まで持つカトリック系の女子校、賢明学院中学・高校(大阪府堺市)は近畿大学の系属校化、男女共学化に舵を切った。
今年から中学に近大医薬系進学コースを設置。医薬系予備校の講義も取り入れて薬学部、医学部への進学を目指す。薬学部進学は一定成績以上で推薦だが、医学部には推薦枠がない。ただし、公募制推薦入試を併願可能にするという優遇条件がある。
医薬コースには関心も集まるが、入学者数には反映されず、定員割れ。堀尾明生教頭は「カトリック系女子校の共学化は大阪初。近大とは講演会への講師派遣などで連携を深めたい」と、共学化、大学との連携で活路を探る。
青山学院大学と今年1月に提携協定を結んだ横須賀学院(神奈川県横須賀市)は、青山学院と同じプロテスタント系の中高一貫校。キャンパス内のキリスト教活動維持のため、大学側がキリスト教教育を受けた学生を求め、提携が成立したという。
推薦枠については協議中だが、鎗田謙一副校長は「しっかりした連携にしたい」と語っており、系列校的な連携まで視野に入れているようだ。