お受験で人気の国立大附属、内部進学には厳しい現実《本当に強い中高一貫校》
こうした附属の授業は、受験勉強とは程遠い内容だ。これは中学、高校でも基本的には同じ。学力不足の児童・生徒は自ら補う必要がある。「高学年では塾に通う児童が大半」と、ある附属小学校関係者は語る。
実は、塾通いも無理からぬ話。国立大附属の場合、内部進学が100%保証されているわけではないからだ。各附属小ともに附属中学へは8割程度しか進学できない(下図参照)。選考方法は学校によって異なるが、普段の成績と6年次での実力テストなどの結果を総合的に判断する。
小学校側は全入を願っても、中学から一般枠で入る生徒のレベルは高く、内部進学生にも一定の学力を求めざるをえない。有名難関大学への合格者数で学校の人気が左右される昨今、高校は中学により優秀な生徒を求め、中学は小学校に……という傾向が国立大附属にもあるようだ。
最終的に半数以上が他高校へ進学せざるをえない学芸大学附属の各小学校では、中学進学に向けての面談時に「地元中学も視野に」といったアドバイスがあるという。来年度からは附属国際中等教育学校に統合された大泉中学が廃止されるため、附属高校の内部生枠も減るという。附属世田谷小の藤田留三丸副校長は「本校で(学芸大)附属高校まで進学できる子はクラスで結果的に5人程度」という。「公立小学校に比べれば比率は多いかもしれないが、それが現実。学校では受験対策も特にしていない。よく理解したうえで受験してほしい」(藤田副校長)。
面倒見のよさをウリにする私立とは違い、自ら学ぶ態度がより強く求められる国立大附属。その特徴を理解することが学校選びには必要だ。
(週刊東洋経済)
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