国をつくるという仕事 西水美恵子著

国をつくるという仕事 西水美恵子著

専門は経済学で、経歴は銀行家。前世界銀行南アジア地域担当副総裁の著者の情熱は「リーダーシップ・メンター」にあるようだ。

キャリアに貫かれているのは大いなる情熱。世銀の「官僚的な組織文化をひっくり返して、貧民に仕える文化に変えたかった」。「途上国の草の根で出会ったリーダーすべてに共通する『正しいことを正しく行う』情熱」に学び、部下にも「職種は何でも、仕事が単なる仕事ではなく、情熱になるように」仕向ける。

真骨頂は管理職に就くとともに、途上国の貧村にホームステイをするように促したことに現れる。尻込みする部下には「ついて来い」と自ら率先する。「世界銀行の顧客は誰なのか。貧しさに喘ぐ人々。政界や財界の権力者ではない」。

2003年、著者は突然退職して世を驚かせた。「私が率いたタイプの改革は、リーダーのDNAに染まりがち。そうならないうちに辞めるべし」と。「第二の緒方貞子」と違う道を歩む。

英治出版 1890円

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