日本も草の根アメリカ議会対策を行うべし
5月の上旬にアメリカの国会議員招聘制度で米国首都ワシントンDCに行き、15名の米下院議員と議論をしてきた。景気対策から北朝鮮問題、核廃絶など論点は多岐にわたったが、議論の中で最も印象に残ったのが、ある西海岸選出の下院議員が述べた
「中国は仲間である」
という言葉だった。
筆者は4年前にワシントンDCのCSISという外交問題の研究機関に1週間ほど滞在したが、そのとき中国はある意味仮想敵国のような扱いであった。
それがまったく雰囲気が変わっていた。
筆者は、そこで中国の軍備拡大のスピードや国際ルールから外れた資源確保への取り組み、そしていまだ民主主義国家ではないことなどを説明したが、あまりにも中国のリスク情報が入っていないことに驚いた。
逆に中国との経済的な相互依存の拡大、中国政府の柔軟性の向上など中国のよい面の情報だけが入っている感じだった。
なぜそのようなことになっているのか?
ワシントン駐在の外交官や民間人、そして米連邦議会議員に話を聴いたが、その理由は「中国は戦略的にアメリカとのパイプを作っている」ということだった。
北京での共産党幹部との会話
ここで思い出したのが今から数年前になるが、北京の共産党本部を訪問したときである。
共産党の国際局が対応をしてくれたが、歓談をする中で対米関係の話になり、アメリカとのコネクションの重要性を議論した。そこで先方は「毎年40人の米連邦議会議員を北京に招聘している」という話をしていた。