広告代理店が高級ブランドに熱を上げるワケ ネットメディアが利益は二の次で熱視線

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広告世界1位WPPの中核広告代理店ジェイ・ウォルター・トンプソン(J. Walter Thompson New York)のグローバルビジネスディレクターであるグレッグ・マクコネル氏は、ティファニー(Tiffany)、BMWやエルメス(Hermès)のようなラグジュアリーブランド企業はすべてデジタルを活用することを学んでいると話す。「デジタルを活用することにより、ラグジュアリーブランド企業はより深いブランドエクスペリエンスを顧客に届けることができるようになり、顧客の欲望の増進にもつながる」と、彼はコメントした。

もしエージェンシーがLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパンのような世界的コングロマリットと仕事をする機会を得たのならば、そのエージェンシーにはLVMHのブランドに関する仕事が絶え間なく与えられる。「巨大なラグジュアリーコングロマリットは以前よりも複雑化している」と、コンサルティングファームのアークアドバイザーズ(Ark Advisors)のコンサルタントでありパートナーのアン・ビロック氏は話す。「巨大なコングロマリットを相手にするのは、大きなエージェンシーの役割だ」。

エージェンシーの名声が高まる

しかし、シャネル(Chanel)やエルメス(Hermès)などの名高いブランドと仕事をしたという名声は捨てがたい。また、これらのラグジュアリーブランドたちは文化的にも奥深い部分もあるため、単純に一緒に仕事をするのが楽しいとエージェンシーの役員たちはいう。また、顧客の名簿リストにグッチ(Gucci)など、ラグジュアリーブランド名が書かれているのといないのでは、ほかの顧客にとっても大きな違いがあるのだ。

「ラグジュアリーブランドこそ、エージェンシーがもっとも欲しているタイプの企業だ」と、マクコネル氏は話す。「エージェンシーに名声や高い評判を与えてくれる」。そして、ラグジュアリーブランドと仕事をすることは素晴らしい体験だ。なぜなら、ラグジュアリーブランドには「力強いメッセージを発信する勇気と欲望があり、そのために資金を費やす意欲もあるからだ」と、マクコネル氏は付け加えた。

(原文:Shareen Pathak / 訳:BIG ROMAN)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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