FX業界が戦々恐々 規制強化の波紋

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「米国では上限100倍まで容認している」(マネーパートナーズグループの奥山泰全社長)。仮に上限を20~30倍に設定すれば、「全体で2~3割程度取引量が減るだろう」(FXCMジャパンの山内英貴社長)ともいわれる。特に、「高レバレッジ」を集客の武器にしてきた一部業者にとっては、死活問題になりかねないだろう。

FX会社が掲げるレバレッジと売買頻度の関係をまとめた業界データによると、上位21社がサービスする最も高いレバレッジの平均は124倍で、1日の売買回転数(取引高÷建玉残高)は同3・45回に達する。一方、レバレッジを最高30倍に設定しているのは3社で、売買回転数は0・39回。上限を30倍にすると、取引量は大幅に減少する可能性がきわめて高い。

FXCMジャパンの親会社GCIキャピタルが個人投資家を対象に実施したアンケート調査では、レバレッジ上限を20~30倍前後とすることに約85%が「反対」と答えた(下グラフ)。金融庁は上限倍率について現在、「検討中」。近日中に具体的な数値を盛り込んだレバレッジ上限規制を公表する方針だ。逆風はどれだけ強まるか。業界関係者は当局の次の一手を注視している。


(松崎泰弘 =週刊東洋経済)
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