「1泊200万円超」のホテルはこんなにもスゴい

これがリッツ東京の最高級スイートルームだ

ヘッドボードは、富山県の伝統工芸、組子細工の職人の手によるものだ。神代杉とヒノキが使われており、明かりを灯すと暖かみのある光が生まれる。ダイニングルームのペンダントライトやバスルームの照明は、江戸切子作家によるものだ。

「テーマは日本、東京、六本木。職人による技術や文化を、外国人には新発見してもらい、日本人には再発見してもらいたい」と、ジョン・ロルフス総支配人は話す。

求められるのは「日本的」と「西洋的」な要素の融合

昨年、全客室とクラブラウンジを改装した理由をロルフス総支配人は、「ラグジュアリーマーケットでの地位を保つため」と説明する。2007年3月の開業から9年が経過し、市場は様変わりした。

開業当初のヨーロピアン様式のインテリアは、現在の「ラグジュアリートラベラー」が求めているものとは違う。インバウンドブームに乗って、開業時7割強を占めていた日本人客は5割程度にまで低下し、欧米だけでなくアジア各国からの旅行客が増えた。ザ・リッツ・カールトン・スイートの利用者も、日本の富裕層のほか、ハリウッドスター、中東のロイヤルファミリー、中国の富裕層、各国大使などバラエティに富んでいる。

画像を拡大
週刊東洋経済2月6日号(1日発売)の中吊り広告です。写真をクリックすると拡大します

開業時は日本客を中心に、東京で「欧州流の外国的な」ラグジュアリー体験や一流のサービスが受けられるホテルとしてのニーズが強かったが、外国人観光客が増えた現在では「日本的な」文化体験やサービスが求められている。

ただ、外国人客も日本人客もリッツ東京に、完全な「和室」は求めない。旅館のような数寄屋造りの畳の部屋に布団の様式だった「ジャパニーズ カールトン スイート」は、これまで空室率が高かったことから、今年1月「モダン ジャパニーズ スイート」に改装した。衣替えした客室は、ベッドやソファを設置し西洋的な要素を融合させている。

ザ・リッツ・カールトン・スイートも同様に、日本の様式そのままではない。「時代に合わせ、つねに新鮮さを打ち出していく」(ロルフス総支配人)。一見、現代的でありながら、細部で日本の伝統文化にこだわり抜いているのだ。

(撮影=梅谷 秀司)

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
トレンドライブラリーAD
人気の動画
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

東洋経済education×ICT