ねんりん家、行列のできるバームクーヘン店、積年の開発が独自品生む

ねんりん家、行列のできるバームクーヘン店、積年の開発が独自品生む

2007年11月リニューアルオープンした大丸東京店。消費不況の中でも、開業以来売り上げを伸ばし続ける売り場がある。1階の食品フロアにあるバームクーヘン専門店「ねんりん家」だ。

つねに行列ができ、男性客も多い。売上高は非公開だが、多いときで1日5000箱以上を売り切る。運営するのはグレープストーン。「東京ばな奈」を手掛ける企業といえば、ピンと来る読者も多いだろう。

バームクーヘンは2種類。中でも人気は「マウントバームしっかり芽」。外はカリッと中はしっとり。ゴツゴツした外観も特徴的。従来にない食感と見た目が人気の秘訣だ。

同社は十数年前にもバームクーヘンを手掛けている。が、一度撤退し4~5年前に開発を再開。マウントバームは通常のバームクーヘンと原料は同じだが、配合率を変えることで濃厚なヨーグルトのような生地を作り上げた。厚く重い生地を焼くため、埼玉の機械メーカーと専用機械まで開発。厚生地を通常の倍の時間をかけて焼いており、独特の食感はここから生まれる。製造する自社工場では、温度や湿度によっても味が変わるため、1本焼くごとに10人程度が試食している。供給能力の問題もあり、現在でも店舗は首都圏5店のみ。その限定感も行列を呼ぶ。

人気を支えるもう一つの要素が接客だ。大丸東京店の冨士川直樹・食品部菓子担当セールスマネジャーは「新人でも接客レベルが高い。今まで接客面でクレームを受けたことがない」と語る。同売り場では販売員のほかに、ショーウインドーの外で商品説明や案内を行う“コンシェルジュ”を配置。菓子売り場でこのような店員を置くのは珍しい。

商品+接客。双方そろって初めて「定番」が生まれるのかもしれない。

(週刊東洋経済 撮影:吉野純治)

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