ドコモ、「新料金プラン」の影響はどうなるか 4~12月期の業績は絶好調だが今後に不安

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ドコモは3月から、月々1700円で1回の国内音声通話が5分以内なら何度でもかけ放題の「カケホーダイライト」を、10ギガバイトのデータ通信プランにも適用(今までは15ギガバイト以上から)するほか、5ギガバイトの「シェアパック5」(家族でデータ通信を分けあえるプラン)を新設する(今までは10ギガバイト以上から)。

新料金プランの導入によって、家族で分け合った場合は、1人あたりの新料金が5000円を下回ることになる。

たとえば3人家族の場合、データ通信は「シェアパック5」、国内音声通話は「カケホーダイライト」、子供が「U25応援割」(データ通信1ギガバイトが追加される)を適用したとすると、合計で月最大6ギガバイトのデータ通信をしても月1万3500円となり、1人あたり4500円になる。さらに、15年以上の長期ユーザーなら、「ずっとドコモ割」(800円割引)が適用され、合計1万2700円、1人平均4233円となる。

販売方法についても、加藤社長は「2月から『実質ゼロ円以下』を慎んで行きたい。契約の自動更新のお知らせ期間は、今まで1カ月だったのを2カ月に延長する準備を進め、誤解や後悔のない形で契約者が判断できる環境を整えていきたい」と述べた。

カケホーダイの悪夢再び?

新料金プランを発表し、ドコモは「5000円未満を目安に」という高市総務大臣の要望に応えた格好だ。ただし、こうしたプランが主流になれば、大幅なマイナス影響も考えられる。「カケホーダイ」(月2700円で国内音声通話無制限)を導入し約1000億円の減益要因となった前期の悪夢を繰り返すことにもなりかねない。

業績への影響について加藤社長は、「新料金プランで大幅な減収にはならない」とし、実質ゼロ円以下の廃止についても「販売代理店への狭義の販売奨励金は変化させない。月々サポートを少し少なくすることで対応していく。(端末販売価格が高くなり)販売台数は減るかもしれないが、コスト削減などで影響を極小化するように努力していきたい」と述べた。

今回の新料金プランで顧客を家族ごと囲い込む傾向をより強める一方で、より上位のデータ通信量のプランに誘導することや、タブレットなど2台目需要の掘り起こしで、大幅な減収減益は避けたいというのが、加藤社長の腹づもりに違いない。ユーザーの満足と企業の成長をどう両立させるのか。加藤社長にとって難しい舵取りが続く。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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