ワタミ・元気寿司に出資する「神明」の正体

コメ卸が外食業界再編の主役に踊り出た

ワタミは2月8日に自己株の約4.2%を神明HDに売却して、資本業務提携を行う。左が清水邦晃・ワタミ社長、右が藤尾益雄・神明HD社長(撮影:尾形文繁)

回転ずし業界の再編を仕掛けた会社が、次に目をつけたのは居酒屋業界なのか――。

1月22日、ワタミはコメ卸大手の神明HDと資本業務提携を行うと発表した。2月8日付で、ワタミが保有する自己株式約10%のうち、4.2%を14億円で神明HDに売却する。

同日、都内で開いた会見で、ワタミの清水邦晃社長は「業績改善が一番の課題。神明とのアライアンスはプラスとなる」とその狙いを説明した。

ワタミは折からの居酒屋不振に加えて、2008年に入社してまもない従業員が過労自殺に追い込まれたことによるブランドイメージの悪化が外食事業を直撃。2014年3月期から2期連続で最終赤字に陥るなど、業績は苦戦している。

昨年12月には収益柱だった介護事業を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに210億円で売却し、経営の建て直しを進めていた。

ワタミと神明HD、資本提携したそれぞれの事情

苦境にあるワタミと提携する神明HDの狙いはどこにあるのか。会見の場で、同社の藤尾益雄社長は「外食や宅食、農業まで手掛けるワタミとの提携はわれわれにとって大きなチャンス」と話す。

神明は神戸に本社を置く未上場企業。コメ卸の最大手で、自社ブランド「あかふじ米」などを扱い、国内シェアは7%近くに達する。

コメの国内総需要は1963年の1341万トンをピークに、2013年には832万トンまで縮小。今後も少子高齢化や食生活の欧米化が一段と進み、コメ需要が増えないと予想される中で、神明HDは事業の多角化を進めている。

2012年6月には、回転ずし中堅の「元気寿司」に出資。続いて、2013年4月には同大手の「かっぱ寿司」(カッパ・クリエイト)にも出資。両者の経営統合を狙ったが、失敗した経緯がある。

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