北欧の名監督が仕立てたシリアス映画の魅力 奇妙な官能美や深層に潜む恐怖を描く

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『チャイルドコール/呼声』

『チャイルドコール/呼声』(2012/ノルウェー・ドイツ・スウェーデン/96分)

ノルウェーの俊英監督ポール・シュレットアウネによる衝撃作「隣人 ネクスト・ドア」(2005年)に続く鮮烈なサイコ・スリラーが誕生した。

夫の暴力から逃れるため、アナと8歳の息子アンデシュは監視プログラムに従って、オスロ(ノルウェー)郊外のアパートに越してくる。それでも不安なアナは、監視用音声モニター“チャイルドコール”を購入し、息子の寝室に据え置く。ある晩チャイルドコールから突然子どもの悲鳴が聞こえ、慌てて息子の寝室に行ってみると、息子は熟睡していた。購入した店の店員ヘルゲは「混線したのだと思います」と説明するのだが……。

チャイルドコールから聞こえてくる度重なる子供の悲鳴。虐待の記憶、不安な日々。やがて一人息子を溺愛するあまり、アナは夢と現実の区別がつかなくなってきて……。「おそらく子供がいるかいないかで、この映画に対する見方が変わってくるのではないかと思う」と監督は語る。本作は“人間の深層心理を鮮烈に描いた傑作サイコ・スリラー”(コピー)には違いないが、問題はプロット=オチだ。ネタバレが恐くて、うかつなことは書けないが(苦笑)、やはりこの手の劇的オチには(例の名作「SS」以来?)賛否両論あるようだ。

いずれにしても本作の成功は、主役のノオミ・ラパス(「プロメテウス」「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」!)と、共演したクリストファー・ヨーネル(「隣人 ネクスト・ドア」主演)の圧倒的な演技力によるものだろう。「彼女はいままでタフな役が多かったが、今回の撮影期間中は、私が怖くなるほど心配性でおびえの役柄になりきり、見事に演じきった」と、監督も称賛していた。

(文:たかみひろし/音楽・映像プロデューサー、『モノ・マガジン』2014年8月16日・9月2日合併号掲載記事を一部加筆・修正)

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