浮気した側からの「卒論提出」は原則ムリだ

認められたケースでは、何がポイントに?

さらに、平成6年2月8日の最高裁判決では、夫婦間に未成熟子がいる場合にも、そのことだけをもって離婚請求を排斥すべきではなく、信義誠実の原則に照らしても、なお容認されるか、諸事情を総合的に考慮して判断すべきとしました。

あくまでも例外的ですが、有責配偶者からの離婚請求が認められる場合があるということです。

この裁判例から言えることは、別居が長ければそれだけ婚姻関係が形骸化し修復が困難になること、そして子どもが小さいほど物心両面で両親が必要ということでしょう。

相応の支払いを覚悟して

ちなみに、別居期間については、具体的に何年間別居すれば「相当の長期間の別居」といえるかは個別のケースによるので何とも言えません。判例では、別居期間10年、同居期間10年の夫婦で離婚が認められなかったケースがあります。

相手方が経済的に過酷な状況におかれることがないといえるかについては、慰謝料や財産分与、養育費などの財産的給付の内容と、それらのお金が確実に支払われる見込みがあるかも考慮されます。

たとえば、有責配偶者から高額の慰謝料を一括で支払うとの申し出があったなどの場合は、離婚が認められる可能性があるでしょう。一般に、有責配偶者から離婚を請求する場合は、相応の支払いを覚悟しておかれたほうがよいと思います。

須見 健矢(すみ たけし)弁護士
2000年4月弁護士登録(東京弁護士会)。個人や企業間の契約や各種損害賠償等の一般民事事件、離婚や相続等の家事事件、刑事事件など幅広い分野で事件解決に取り組んでいる。
事務所名:西葛西スター総合法律事務所

 

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