新たな半導体再編劇、見えない再建シナリオ

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新たな半導体再編劇、見えない再建シナリオ

半導体再編の本丸として注目されてきたNECエレクトロニクス(NECエレ)が、ルネサステクノロジ(日立製作所55%、三菱電機45%出資)と統合交渉に入っていることが明らかになった。「話をしていることは事実」(ルネサス幹部)と、今年に入り急接近したようだ。

統合が実現すれば、売上高で1兆円を超す世界3位の半導体メーカーが誕生する。だが、その規模拡大とは裏腹に、業界では「両社とも山ほどの工場と従業員を抱えている。統合効果はない」(東芝幹部)と冷めた見方が多い。

統合効果に疑問

両社ともに業況は極めて厳しい。NECエレは2006年3月期から赤字が続く。工場閉鎖など抜本リストラの必要性を会社側も認識するが「工場を1カ所閉鎖すると700億円程度の特損が発生し、その損失に耐えられない」(NECエレ幹部)。逡巡するうちに昨年からの需要急落に見舞われ、09年3月期も最終赤字650億円を見込む。

旧日立と旧三菱の半導体工場を抱えるルネサスも、09年3月期は約2000億円もの巨額赤字に転落する。3月末には双方の親会社が計540億円の増資を引き受けた。

課題山積みの中で両社が統合すれば、国内外26工場、約5万人の従業員を抱えることになる。現状、市況悪化で両社とも工場の稼働率が約50%にまで低下しており、大規模リストラが急務だ。だが主要製品のマイコンは工場移転に対する顧客側の承諾が難しく、簡単に工場統合を進められない。

ルネサスは4年の紆余曲折を経て、ようやく日立と三菱の製品ラインナップを統一したばかりでもある。NECエレがそこに合わされば、さらなる調整を強いられる。しかも「統合でシェアや売り上げが増えても、収益力と成長力は上がらない」(ルネサス幹部)と、当事者ですら明確な効果を見いだせずにいる。

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