「米国株は割高だが欧州株や日本株は割安だ」 運用会社ロベコの最高投資責任者に聞く

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米国株は年末から下落基調。1月22日は二日続伸も、週明けのFOMC( 米国連邦公開市場委員会)を控え気が抜けない(写真:AP/アフロ)
年明け以降、グローバルな株式市場の動揺が止まらない。中国経済の減速懸念や原油価格の低迷が投資家を不安にさせ、そのリスク回避の姿勢が株価の一段安を招いている。オランダに本拠を置き、2013年に日本のオリックスグループ入りした大手資産運用会社、ロベコ・グループの最高投資責任者(CIO)のハンス・ラデマーカー氏に市場見通しについて尋ねた。

――2016年は年明け早々、株式市場は波乱の幕開けです。市場の混乱は一時的な現象なのでしょうか?

今後1、2年はこういう状況が続くだろう。しかし、国債は日米欧のどこをみても割高になっている。FRB(米連邦準備制度理事会)も利上げサイクルに入った。国債に投資しても、元本を補填できるかどうかというレベルだ。やはりリターンを稼ごうと思うなら、株式市場に投資するしかない。リスクをとる準備があるのなら、2016年は株式の買いチャンスだ。

――ロベコの預かり資産(AUM)は順調に成長を続けているようですが、昨年後半以降、市場の混乱を受け、投資家のマネーフローに変化はないのでしょうか。

昨年末までに資金の流出がそれほどあったわけではないが、先週は資金流出の動きがあった。ただ、私どもの運用している戦略の中に、通常の株式よりもボラティリティの低い、ローリスクな株式もある。2015年はドル高になったので、思いのほかドルへの配分が大きくなった。ドル売りをしてリバランスした動きも出た。

中国は外貨準備があり問題に対応できる

――今回の株安は、世界同時株安、大暴落という形で危機的な状況にはならないのでしょうか。

世界が大恐慌に陥ることにはならないと思う。先進国をみると、米国、日本、欧州ともに経済は着実に回復してきている。米国は利上げ局面に入り、日本経済も確実に回復してきている。欧州も失業率が下がり、賃金が上昇し始めた。回復のためのしっかりとした基盤ができている。

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