「米国株は割高だが欧州株や日本株は割安だ」

運用会社ロベコの最高投資責任者に聞く

中国は先月、当局がパニック状況になった。当局がきちんと舵取りをできていないという感触をマーケットに与えてしまった。中国人は学習が早い。早く手を打ってほしいと思っている。ただ、なんと言っても米国の牽引力がいちばん重要だ。米国の経済成長が今後どうなるのか、やはり見ていく必要がある。

もう一つ2016年のリスクはBREXIT、すなわち英国がEUを脱退するのかどうかだ。2017年に国民投票をするとキャメロン首相は表明しているが、不透明感が高まっている。

米国経済は消費が強く、ポジティブに見ている

――利上げに踏み切ったとはいえ、米国経済は力強さを欠いているようです。

たしかに、2015年の米国の景気回復は期待ほどではなく、失望感があった。それゆえに、他社では2016年の米国の成長率をマイナスとみているところもある。しかし、それはあまりに悲観的だ。当社の見方はポジティブ。米国の消費はしっかりしており、消費の伸びが今後、経済を押し上げていく。

もちろん、中国をはじめとする資本財輸入国の投資が不振であり、新興国の資本財輸入に牽引される成長はそれほど大きくないという懸念はある。リーマンショックから8年経ち、労働市場は完全雇用に近いところまで回復してきた。FRBのイエレン議長も、3%ないし4%の賃金上昇が米国経済にとって望ましいと発言している。消費がしっかりしているということが、米国経済の基盤をより固める好材料ではないかとみている。

――今年FRBの利上げは何回あるとみていますか。

正確に予想するのは難しいが、ゆるやかな利上げであることは間違いない。4回ではなく、2回、状況によっては3回という可能性が高いと思う。

――過去にはFRBが利上げ局面に入ると、市場は大きく混乱しました。

以前と違い、FRBも何か政策を変更しようというときは、市場に前もって伝え、その反応をみようという姿勢になっている。利上げに関しても、実際は経済が成長し、それが確認できて初めて利上げを行うという態勢だ。利上げをするということはむしろ、経済統計がよいという朗報なのだと思う。利上げをしない、見送るということは経済の実態が悪いというサインだ。

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