いまだ見えてこないイオンのグループ戦略 CFS問題は決着したが、出資比率は”寸止め”
3月17日、イオンとドラッグストア大手CFSコーポレーションが新たな提携内容を発表した。イオンはCFSに対する出資比率を従来の15%から33・3%に引き上げ、副社長として新たに役員を派遣する。両社はCFSと調剤薬局最大手アインファーマシーズとの経営統合をめぐり委任状争奪戦を繰り広げ、1月CFSの株主総会で同案は否決されていた。石田健二CFS会長兼社長は取締役を退任、名誉会長に退く。
イオンにとってはグループ企業の離反を阻止し、結果として関係強化につながった格好。ただ出資比率は重要事項に拒否権を持つ3分の1を超えない範囲で”寸止め”。「重要事項は事前にイオンに相談する合意を入れた」(岡田元也社長)ものの、これまでの経緯からCFSの独自性に配慮せざるを得なかった。
「労働集約型の小売業は社員の士気が重要」(幹部)との事情もある。持ち株会社へ8月に移行するイオンだが、グループ集約は一筋縄ではいかない。寸止めの出資比率にイオンの悩みが隠れている。
(並木厚憲 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)
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