デベロッパー倒産から身を守れ! いざというときのためのマンション購入Q&A《不動産危機》
Q1 購入を考えていたマンションの販売業者が民事再生法の適用を申請した、との報道がありました。手付金はどうなる?
モデルルームなどを訪問し、購入を決断すればいよいよ契約。金融機関によるローン審査も通り、売買契約を結ぶと同時に一定金額の手付金を支払った。新しいマイホームへの引っ越しを心待ちにしていたのに突然、売り主が倒産してしまった。この場合、手付金はどうなるのか。
自己破産などによりマンション工事が中止になるケースでは、買い主は手付金の返還請求を自ら行う必要がある。民事再生法の適用を申請し認められた場合、工事中止は考えにくいが、まったくないとはいえない。たとえば管財人や新しいスポンサー企業が、採算が取れないと考えて工事中止を決めることが考えられる。その場合にも、やはり買い主が自ら手付金の返還請求をしなければならない。
工事中止となったとき、満額返還されるかどうかは、手付金の保全措置を講じているか否かにかかっている。保全措置とは、手付金が売り主の倒産などにより返還されないことがないよう、保証機関や保険事業者などの第三者の管理に託す措置のことで、宅建業法によって定められている。ただし保全の対象となるのは、建物が未完成の場合は、手付金を売買代金の5%以上あるいは1000万円以上払っている場合だ。たとえば代金が5000万円であった場合、250万以上の手付金を払っていれば、満額保全される。
手付金の金額が少なく、保全の対象になっていない場合は、建築代金などの債権よりも優先的に取り扱われるものの、満額返還は難しい。そのため保全措置が適用される「代金の5%以上」を用意できない場合には、できるだけ手付金の金額を低く抑えておくのも、損失リスクを少なくする手段といえるだろう。