マンション価格は「旧価格」へ舞い戻る、下落はこれから本番へ《不動産危機》

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「安さ」より前に企業の「安定度」に注意

これを好機ととらえ、「景気対策として新築中心の需要喚起策を改めて、良質な中古住宅の流通市場を整備する必要がある」(不動産コンサルティング、さくら事務所の長嶋修氏)のも事実だ。が、当面は市場縮小に伴うデベロッパーの“倒産”が増えそうな気配。下のグラフにもあるように大手デベロッパーでさえ軒並み収益が悪化している。これはマンション販売時の実現損に加えて手持ちの棚卸資産に計上されている販売用不動産の評価損が大きく響いた結果だ。日本綜合地所は年明けに建設代金の32億円の手形が落ちずに倒産。大手の一角だった藤和不動産も資金繰り難から三菱地所の傘下入りを決定した。棚卸資産評価損についても今期はともかく、来期物件分まで計上している企業は少ない。そこへ地価下落の追い打ちで、評価損計上が続く可能性も濃厚だ。

新興のマンションデベロッパーの場合はさらに厳しい。購入した先のマンション業者が倒産した場合、「瑕疵(かし)担保責任などの保証行為が受けられなくなるリスクがあることも、マンション購入時には注意する必要がある」(福田秋生・不動産経済研究所企画調査部長)。また、ここ数年のマンション価格高騰時には、同じ3LDKでも面積を狭くするなど、コスト低減を狙った内装の手抜きも起こっているといわれる。その意味で、安さだけで購入する以前に、今は企業の経営力チェックも不可欠だ。


(週刊東洋経済)
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