日本株「1万円割れ」シナリオを外せない理由 値動きはリーマンショック前を彷彿とさせる
2016年から続く日本株の下落要因は、一般的には中国経済の減速や緊迫する中東情勢、北朝鮮の水爆実験などの海外要因や円高ドル安などといわれています。筆者はそれらとはまったく別の見方で、株式市場の今後を考えています。判断材料に使っているのは、株価チャートです。
株価チャートとは過去から現在までの株価の動きの推移を見やすく表したグラフで、過去にどのような動きをしてきたのかを見る時に使用します。株価チャートには、よく使われるものとして3つあります。まずは、毎日の動きを表す「日足」毎週の動きを表す「週足」毎月の動きを表す「月足」があります。
特に注目なのは75日移動平均線
まずは「日足」チャートを見てみましょう。日足の株価チャートには毎日の値動きが「ローソク足」で示されていますが、株価の動向を把握して予測を立てるうえで重要なのは「移動平均線」です。過去の一定期間における株価を平均化して線で示すのですが、特に注目しているのが75日移動平均線です。
移動平均線には多くの種類がありますが、75日(休日を除く営業日ベース)という期間はざっと3~4カ月、つまり基調の変化が起こる四半期(3カ月)のタイミングと近く、日足チャートで短期的な株式相場の方向を推し量るときにちょうどいいからです。
今年最初の取引となった1月4日の大発会で、日経平均は日足の75日移動平均線近辺で始まりました。その当日は少し上がり、75日移動平均線の上で推移したものの、75日移動平均線を大きく割り込むほど下落しました。
75日移動平均線の上で株価が推移しているときは、過去75日間買い続けた人にとっては利益が出ている状態になります。一方、75日移動平均線の下で株価が推移しているときは逆で、過去75日間買い続けた人は損をしています。
こうした損をしている人の目線で考えると、75日移動平均線からさらに株価が下がってくると損失が膨らみかねなくなります。すると起こりやすいのが、売れないほどに損失が大きくなる「塩漬け」になる前に損失を小さくするための売りです。下げが加速すると投げ売りが加速します。
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